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「なぜ?」の秘密【子供の創造力を開花させる方法】

田渕 愛奈講師兼教材開発アシスタント / 英語の先生
更新日: 2023年10月30日
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皆さん、今まで常識として知っている事実をなぜ、そうなのか?と疑ったことありますか?

お子さんがいる方はお子さんから一時期「なぜ?」攻撃を受けた事がありますよね?あの質問に答えられますか?子供が興味をもって聞いてくるなぜ?攻撃は3秒に一回のペースで聞かれますから、答えられないですよね。家事と仕事こなしながら、子供のなぜ?につきあえる訳がない(笑)というのが、本音なのですが、今日のキーワードは「なぜ?」です。

私が英語教師として働いている際に気づいた事がありました。子供達に「なんで?」と聞くと答えられない場合がほとんどなんです。例えば、「なんで、モモ好きなの?」と聞くと、「うーん?」と考えて「分からない」という結果になる事が多いです。もちろん、英語で何というのか分からない。そこまで興味ないという事もありますが、答えられる子は「おいしい」「あまい」などと日本語で教えてくれます。子供達は答え(事実)を素直に受け入れているだけで、それを疑ったり、なぜ?と思う機会がほとんどないのかなと思っています。数学の先生としてイギリスで教えている際に、間違った回答をしている子供に「なぜ、その答えになったの?」と言うと、大抵の子は彼らなりの考えがあり、間違ってはいますけどきちんと説明が出来る子が多いです。

私は日本人で日本の教育を長いこと受けてきた人間なので、今でも外国人と話し合いをすると驚く事が多いですし、あまり意見が言えなかったなあと反省することはあります。ここでは、未来に備えて子供達の「考える力」を育てるにはどうしたら良いのか?そして、「考える力」の落とし穴、向き合い方についてお話していきたいと思います。

「考える力」の必要性

Photo by Japheth Mast on Unsplash

私はロシアのインターナショナルスクールに通っていた時に、試験内容に衝撃を受けたことがあります。それはテストの問題文が、ほとんどWHY、Explainから始まっていたことです。イギリスの中学3年生が受ける歴史のテストの例題はこんな感じです。

Explain why the Civil War broke out in 1918. You may use the following in your answer: Czech Legion, Treaty of Brest-Litovsk. You MUST also use information of your own.

なぜ1918年に内戦が勃発したかを説明してください。次の情報を使用してもかまいません: チェコ軍団、ブレスト=リトフスク条約。また、独自の情報も使用する必要があります。

これは、ロシアの歴史を元にして実際に2020年に出題された問題です。この問題、実は12点分です。日本の歴史で例題を作ると、 ‘なぜ戊辰戦争が勃発したのかを説明してください。次の情報を使用してもかまいません: 朝廷と幕府の対立、外国との条約の影響。また、独自の情報も使用する必要があります。’これ皆さん答えを文章で中学生の時に書けましたか?私は、無理です(笑)

日本で歴史のテストの点数が稼げていたのは、覚えるだけで良かったからです。当時は、英語が全くできない且つロシアの歴史について学んだことなかったので、初めての歴史のテストはF(赤点)を取った事を覚えています(笑)なので、公式だけ覚えていれば点数が取れる数学だけ点数が良かったです。そして、これがびっくりするのですが、こんな頭を悩ませる問題が歴史だけはなく、他の教科もそうなんです(泣)ちょっとしたエッセイを毎回書かされる感じです。当時の私は「なんで?って言われても、それが事実やん!それ以外知らんよ!」という具合でした。そして、こんな風に思っている子供は沢山います。先日、私の恩師とランチする機会があり、その先生は現在、学校で課外授業をメインとした授業をしているそうです。内容としては、週に一回「総合の時間」があり、そこで学校内にある畑で野菜や穀物を育てた後に、収穫し、農業や食について学ぶ時間です。その際に、先生が生徒を評価するために課題を出すのですが、課題内容は「収穫したオクラを何本入りで、何円で売るのかを理由と根拠を書いて提出しなさい」というような問題です。

この課題、私みたいなタイプの人間は喜んで課題をこなすのですが、ほとんどの子供は苦手なんです。その先生が課題を通してびっくりした事があるそうですが、それは生徒が「私、オクラを10本入り150円で売ろうと思うのですが、いいですか?」と確認にきた子がいたそうです。先生は「いいよ。それで良いけど、なんでそう思ったの?」と聞くと、答えられないそうなんです。先生としては、この課題に正解も不正解もないのでオクラを何円で売ろうが関係なく、理由が重要なんです。学校帰りにスーパーに寄り、市場調査をした結果、150円が相場だと考えた。学校で育てたのは無農薬だから、少し高めの値段設定にする。余裕があれば、利益率を考えたり、もっと柔軟になって子供達には考えてもらうことが狙いなのです。今の子供達は‘受け身’ベースの教育を長い間受けてきてしまったので、自分で考える力がだんだんとなくなってきているのです。受け身のままではAI到来の時代には、AIにとって変わられます。このような結果になってしまった原因は「記憶力やパターン思考に長けた者が高得点を得るような試験制度の存在」だと思っています。これまでの長い教育文化で、「頭がいい」=「記憶力がいい」、「パターン化された思考ができる」と考えているので、このような結果を招いてしまったのだと考えます。

「考える力」の落とし穴

Photo by Jerry Wang on Unsplash

考える力は大きいくくりで、少し漠然としています。大きく二つに分けると「なぜ?」を考える力と「自分の意見」を考える力があると思います。これまで「考える力」が軽視されてきた理由の一つとして「学歴社会」が大きく関係していると思います。最近では「学歴」だけではなく「本人の個性や本質」をみるという風潮がありますが、学歴は誰が見ても分かる且つ平等に評価できるので、学歴が常にPriorityなんです。私立、公立にかかわらず、学校側が必ず推す内容は、今年トップ大学に何人入学したか。学校で行われている授業の内容も全て、トップ大学に入学できるためのプログラム。保護者が学校側にそれを求めているのが、一目瞭然です。更に、私の知り合いが今年就活をした際に、集団面接時の「トップ大学の破壊力半端なかった」と教えてくれました。その子は推薦でトップ大学に入学したので、トップ大学以外の大学に通っている子に比べて、受験当時の勉強量(センター試験受けてないので)は少ないのに、その大学を聞いただけで、そのグループでは既に優位に立っている状態なのです。課程よりも結果。一般入試でトップ大学に入学しようが、推薦で入学しようが関係ありませんからね。それが全てというのが、2023年でも変わっていません。トップ大学を卒業すれば、安定した職につける。勉強は長くて面倒くさいように感じますが、これが一番楽で簡単な道なんです。勉強に才能やセンスは要りませんからね。

この世の中では、「考える力(自分の意見を持つ)」なんて邪魔でしかないですよね。これだけやれば将来安泰と言われている勉強をこなすには、「受け身」で「素直」が一番の鍵です。更に、この「考える力」は「知識」があるのが前提です。お医者さんが手術する際に、教科書には縦に切開しろと書いてるけど、俺は横が良いなんて事になると、どえらい事になるので前提は大事です。少し話を戻すと、恩師が課題を出した際に、生徒に「先生は生徒に考えろと言うけど、先生の仕事は答えを教えることでしょ。だから、正解を教えてよ」と言われたそうです。さすがに、先生もショックを受け、周りのクラスメイトに後でこてんぱんに絞られたそうですが、私はこの子の言うことも一理あると感じてしまいました。実際、そんなこと言われた立ち直れないかもしれないですが…(笑)先生は生徒に答えを教えるのが仕事で、自分で考えろなんて事を指示された事は私も含め経験したことはあまりないです。学校でも職場でも、考える力が優位に立つと、みんなと違う考え=和を乱す=省かれる、みんなから嫌われるという事になるんですよね。いわゆる、めんどくさい人になります。波風立てずに、長いものに巻かれろ精神で生きることがこの世の中、自分も含め誰も傷つきません。ことわざで「出る杭は打たれる」というのがあるように、日本の文化では同調、和が大事なんです。そこが、日本人の最大の武器であり、最大の弱点なんです。「自分の意見を持つ」といえば響きが良いですが、裏を返せば「自己中心的でわがまま」という意味になってしまうんですよね。相手の気持ちを思いやる事が出来ない人間になってしまうので、注意が十分に必要です。目安としては、自分に意見を求められた時に自分の考えを言えるくらいにはなっているのが、丁度良いのかなと個人的には思ってます。

「考える力」を育てる【知的能力を向上させる】

Photo by Paige Cody on Unsplash

考える力を育てるには、どのようにすれば良いのか。4つポイントを挙げました。

問いかけと対話

子供に対して疑問を投げかけ、その答えを一緒に考える時間を持ちましょう。具体的な質問やシナリオを通じて、子供が自分の意見やアイデアを表現できる環境を提供します。

探求心を刺激

子供の興味や関心を引くトピックやテーマを見つけ、その分野について深く学ぶ機会を提供しましょう。興味を持って探求する過程で、自然と考える力が養われます。

問題解決の機会を提供

子供が直面する問題や課題を共有し、一緒に解決策を考える機会を設けます。自分で問題を洗い出し、解決策を模索するプロセスを通じて、問題解決能力が向上します。

自由な時間を与える

子供には自分自身で遊びや活動を選び、その中で自由に考える時間を与えることが大切です。刺激的な環境を提供し、自分で物事を探求できます。

提唱した4つは、いわば理想論です。理想を現実にできれば良いですが、正直言ってこんな事できる時間も体力もないので、個人的には時々、子供に「なぜ?」の質問をするくらいが良いのかなと思います。例えば、ブドウのグミ買ってきたんだね。→あれ、この前オレンジじゃなかった?今回こっちにしたの?なんでそっちにしたの~?→オレンジ味食べたことなかったから~→そっか~。おいしいよね~。くらいで良いと思ってます。相手の意見を受け入れながら、肯定するのが良いのかなと思います。何事もPro、Conあるのですが、「考える力」を私たちは上手く利用しながら、双方のいいとこ取りをしたハイブリッドな子供達を育てる事ができるのでないかと考えてます。小さい頃からこのような、「なぜ?」を考える癖をつけると、将来、自然と自分から「なぜ」を駆使して、成長できます。

授業中やお勉強中に「なぜ?」「なんで、このような結果になったのか?」と考える事はとても有意義だと思っています。私は数学の先生として、生徒に「数学っていつ使うの?勉強する意味あるの?」ってよく聞かれるんです。その際に私は「そう思っていると人生損するよ。無知が一番怖いんだよ。」って答えてます。確かにあの難しい問題を解く事は大人になったら一度もないですし、一見必要ないように思うんです。ですが、数学って気づいてないだけで日常にありふれています。私のお気に入りのシャクランタラ(インドの数学教育者)のquotationで

"Without mathematics, there’s nothing you can do. Everything around you is mathematics. Everything around you is numbers."

~ Shankuntala Devi

という言葉があります。簡単な例をあげると、お釣りの計算ですよね。計算が出来れば、小銭の調整ができます。お友だちと割り勘する時も役に立ちます。大人になると、税金を払わないといけない際に、計算ができる人は税金対策をするんです。自分が損しないように。法律もそうです。自分たちを守るためにありますが、それを知らなかったら、自分が辛い思いをする。こういう便利なものを作ってきた人は、賢い人たちが作ってきたので、私たちも賢くならないと自分が損をするんです。なので、人生において損する人は「お勉強を疎かにしてきた人達」です。とても頭の良い親友に同じ話をした際に、彼は「知識があると人生が豊かになるよね」と教えてくれました。彼曰く、自分は子供の頃から「なぜ?」と思う機会が他人よりも多かったと言っていました。

例えば、雨が降って晴れた際に、虹が出ますよね?大抵の人は虹が出て、「虹だ~、きれいだな~」って思います。そこで「なぜ、虹が出来るんだ?」と考えられると、光の屈折についてお勉強出来るんです。虹の仕組みを理解できると、雨が降って晴れた際に、どっちの方角に虹が見えるかを考えることができるんです。ちなみに私はそんなこと一度も考えた事ありません(笑)「天気雨か~。虹見えたらラッキーやな~」くらいしか考えてないです(笑)山登りをした時に、そこで見る植物を見てそこの土地の特性を理解する事で、単に山登りするよりも断然楽しくなると教えてくれました。因みに、頭の良い彼が「この人頭いいな」と感じるときは、知識を利用してジョークが言える人だそうです。例えば、会話の内容で素数の話をしている時に、相手が「57」って言った後に、お互いに「グロタンティーク素数」を理解できる人だそうです。解説をすると、57は素数ではない(3 × 19 = 57)が、これはグロタンディークが素数に関する一般論について講演をした際に、具体的な素数を用いて例を挙げることを求められたとき、彼が誤って57を選んだことに由来するからだそうです。あの、偉大なグロタンティーク先生が仰るなら、57も素数に違いない!というバックグランドがあります。会話の内容がGeekすぎる!!!(笑)頭のいい人の脳みそを覗いたような感じでした。数学の先生ですが、この話は初耳でした(笑)

更に、多様性が広がる世の中で男女年齢関係なく、他人の意見を知り、尊重することはとても大事です。でも、私も「はあ?なんで、そうなの?」と思う事は多々あります。否定するのも人間として当たり前です。そして、人間は自分と違う人間を嫌う生き物でもありますが、先程も言ったように「無知ほど怖い事」はないんです。他人と意見交換しないと、物事を一つの角度しか見れないんです。自分で気づくことがないんです。討論をしろとまでは言いませんが、私はお友だちと一緒にこういう話あいをしょっちゅうしてます(笑)

まとめ

Photo by Omar Lopez on Unsplash

子供たちの未来をより良くするために、私たちができることのひとつは、「なぜ?」を考える機会を提供することです。子供たちが新しいことを学び、自分自身で問題を解決する力を育むのにとても役立ちます。親や教育者は、「なぜ?」という疑問に答えるだけでなく、一緒に考えることも大切です。子供たちが自分で考え、探求することを奨励し、自信を持たせることが、彼らの未来の豊かさに貢献します。このアプローチを通じて、私たちは子供たちに新しい視点を提供し、知識や創造力を育む手助けをすることができます。


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